中学体育の走り高跳びで、助走をつけても上へ跳べない、踏み切る足が毎回変わる、先に越えた足は通るのに後ろの足がバーへ当たると悩む人は少なくありませんが、はさみ跳びは脚を高く上げるだけの種目ではなく、助走、踏み切り、空中動作、着地を一つの流れにつなげることで成功率が上がる跳び方です。
特に中学生の初心者は、高く跳ぼうとして助走を全力疾走にしたり、バーの直前で小さく足を合わせたり、身体を早く横へ倒したりしやすいため、まずは高さよりも同じ歩数とリズムで踏み切れる動きを身に付けることが大切です。
文部科学省の中学校学習指導要領解説でも、走り高跳びではリズミカルな助走から力強く踏み切り、脚と腕のタイミングを合わせて大きなはさみ動作で跳ぶことが例示されているため、授業では記録だけでなく、動きのつながりや自分の課題を見つけて改善する姿勢も意識すると取り組みやすくなります。
ここでは、走り高跳びのはさみ跳びを成功させる基本動作から、踏切足の決め方、授業中にできる段階練習、バーへ足が当たる原因、安全上の注意点、振り返りの方法までを順番に整理するので、自分がどこで動きを止めているのかを確かめながら練習へ生かしてください。
中学体育の走り高跳びではさみ跳びを成功させるコツ

はさみ跳びで最初に意識したいのは、脚を大きく開くことよりも、毎回ほぼ同じ場所へ入り、上体を起こしたまま片足で地面を押し、身体全体を上へ運ぶことです。
バーを越えようとして横方向へ急ぐと、跳躍の頂点がバーより奥へずれたり、腰が上がる前に脚だけを振り回したりするため、助走の勢いを真上へ変える感覚を優先します。
文部科学省の中学校学習指導要領解説と日本陸上競技連盟の中学校部活動向け指導資料でも、リズミカルな助走、直立姿勢、垂直方向への跳躍が重視されているため、この三つを基本の軸としてフォームを整えましょう。
助走角度を整える
はさみ跳びの助走は、バーへ正面から突進するのではなく、斜め方向から直線的に入ると、バーに近い側の振り上げ脚を先に通しやすくなり、踏切足で地面を押す方向も安定します。
日本陸上競技連盟の指導資料では斜め四十五度からの直線助走が段階練習の目安として示されていますが、四十五度を毎回正確に測る必要はなく、怖さを感じずに上へ踏み切れて、着地場所へ自然に入れる角度を先生の指示に沿って調整することが重要です。
| 助走の入り方 | 起こりやすい動き | 修正の目安 |
|---|---|---|
| 正面に近すぎる | バーへ突っ込む | 横から斜めに入る |
| 横に広がりすぎる | 前へ進みすぎる | 踏切地点へ向ける |
| 角度が毎回変わる | 歩数が合わない | 開始位置を固定する |
右側から助走する人と左側から助走する人では向きが反対になるため、友達のフォームをそのまま左右同じにまねるのではなく、自分の踏切足と振り上げ脚に合わせて立つ側を決めます。
助走開始位置と踏切位置へ目印を置ける場合は、最初の立ち位置だけでなく斜めに進む線もイメージすると、バー直前で進路を変えずに済み、踏み切りへ集中しやすくなります。
一定のリズムで走る
助走は速ければ速いほど高く跳べるわけではなく、最後まで身体を制御でき、片足で地面を押す準備ができる速さを保つことが、中学体育のはさみ跳びでは特に大切です。
最初から全力で走ると、踏切地点へ近づいたときに歩幅を急に縮めたり、足を何度も細かく置き直したりしやすいため、初めは五歩から七歩程度の短い助走を目安にし、同じテンポで踏み切れる範囲から始めます。
頭の中で一歩ごとに数えるよりも、最後の三歩を一定の音として覚え、走り始めから踏み切りまでが一続きになるようにすると、バーを見て急停止する動きが減ります。
成功した試技の開始位置へ印を付け、次の試技でも同じ足から走り始めると、偶然歩数が合った状態ではなく、再現できる助走として身に付けやすくなります。
踏切足を決める
踏切足は高く上げる側の足ではなく、地面に残って身体を押し上げる足であり、反対側の振り上げ脚が先にバーを越えるため、左右の役割を混同しないことが上達への第一歩です。
一般には、斜め助走から自然に片足で跳んだときに強く地面を押しやすい側を踏切足として使いますが、利き手と必ず同じ側になるわけではないので、最初から思い込みで決めず、低い高さで左右を試して安定する側を選びます。
- 片足ジャンプが安定する
- 着地でふらつきにくい
- 助走の歩数が合いやすい
- 反対脚を高く振りやすい
- 怖さを感じにくい
踏切足が決まったら、バーに近い側へ振り上げ脚が来るように助走方向を設定し、毎回同じ足から走り出すことで、踏み切り直前の迷いを減らします。
左右の跳びやすさがほぼ同じ場合や、自分では判断できない場合は、数回の跳躍を先生や友達に見てもらい、踏切位置、上体の安定、着地のしやすさを比べて決めると安全です。
最後の一歩を急がない
助走の終盤でバーが近づくと、足が合わない不安から最後の一歩だけ大きく伸ばしたり、小刻みに足を置いたりしがちですが、この調整が強くなるほど腰が後ろへ残り、真上へ踏み切りにくくなります。
踏切足は助走の流れの中で身体のやや前へ自然に置き、足裏で地面を受け止めてから、足首、膝、股関節を伸ばすように地面を押すと、走る勢いを上方向へ変えやすくなります。
踏切位置が近すぎるとバーの真下へ入り込んで身体を上げる空間がなくなり、遠すぎると跳躍の頂点へ達する前にバーへ近づくため、低いゴムバーを使って最も余裕を持って越えられる位置を探します。
毎回足が合わないときは踏切直前だけを修正するのではなく、助走開始位置を靴半足分ずつ前後へ動かし、自然な歩幅のまま踏切足が置ける場所へ合わせることが効果的です。
腕と脚を同時に振る
はさみ跳びでは振り上げ脚だけを高く持ち上げようとすると、上体が後ろへ反ったり腰が落ちたりするため、踏切足で地面を押す瞬間に腕の振りも合わせ、身体全体を引き上げる必要があります。
両腕を使う場合は助走中に自然に後方へ引き、踏み切りに合わせて前上方へ振り上げると上昇のきっかけを作りやすくなりますが、腕だけを大きく回すと肩に力が入り、踏切のタイミングが遅れるので注意します。
振り上げ脚はつま先だけを持ち上げるのではなく、膝を前上方へ導く意識を持ち、その後に膝下が伸びる流れを作ると、腰の高さを保ちながらバーに近い脚を通しやすくなります。
その場での片足ジャンプや一歩助走からの跳躍で、踏切足が地面を押す瞬間と腕、反対脚が上がる瞬間をそろえてから助走を延ばすと、複数の動きを一度に直そうとするより習得しやすくなります。
上体を起こして踏み切る
高いバーを見上げると身体を後ろへ反らしたくなりますが、踏み切り前に腰が折れたり上体が傾いたりすると、地面を押す力が身体の中心へ伝わらず、ジャンプの高さを十分に得にくくなります。
助走中から頭、肩、腰が大きく前後へぶれない姿勢を保ち、踏み切る瞬間は頭頂部が上へ引かれるように身体を長くすると、横へ流れずに垂直方向へ伸び上がりやすくなります。
バーを早く越えようとして踏み切りと同時に上体を横へ倒すと、腰が上がる前に身体が落下へ移るため、まず上へ跳び、身体が十分に浮いてから脚を順番に通すという時間差を意識します。
自分では真っすぐなつもりでも腰だけが前へ出たり肩だけが倒れたりする場合があるので、横から動画を撮影できる授業環境では先生の許可を得て確認し、踏み切り完了まで身体の軸が保たれているかを見ます。
振り上げ脚から越える
はさみ跳びの空中動作では、バーに近い振り上げ脚を先に高く通し、その脚が下がり始めるタイミングに合わせて、踏切足だった後ろの脚を引き上げることで両脚がはさみのように入れ替わります。
最初から両脚を同時に持ち上げようとすると、身体が縮こまり、腰がバーより低い位置に残りやすいため、先に振り上げ脚、次に踏切脚という順番をはっきり分けることが大切です。
先の脚を越した直後に安心して力を抜くと、後ろの膝やかかとがバーへ当たりやすいので、振り上げ脚を下ろす反動を利用しながら、踏切脚の膝を曲げて素早く引き付けます。
低いゴムバーを歩いてまたぐ練習では、身体を横向きに保ちながら左右の脚を順番に動かし、慣れてから一歩助走、三歩助走へ進むと、空中で慌てずに脚を入れ替えられます。
足から安全に着地する
はさみ跳びは振り上げ脚からバーを越え、その脚を先に着地側へ下ろす流れになるため、背中から落ちようとせず、足からマットへ降りられる低さと姿勢で練習することが基本です。
着地するときは膝を伸ばしたまま突っ張らず、足がマットへ触れた後に膝と股関節を軽く曲げて衝撃を受け、勢いが残っている場合は無理にその場へ止まろうとしないようにします。
視線をバーだけへ残すと着地場所を見失いやすいため、脚を越した後は顔を進行方向へ戻し、マット中央の安全な場所へ入っているかを把握します。
マットの端や支柱付近へ着地する試技が続く場合は高さを上げず、助走角度と踏切位置を先生に見てもらい、安全な着地点へ入れるようになってから次の段階へ進みます。
記録につながる段階練習

はさみ跳びは、最初から長い助走と高いバーを組み合わせるより、またぐ動き、片足で上へ跳ぶ動き、短い助走から越える動きを別々に練習し、最後に一つの流れへつなげるほうがフォームを整えやすい種目です。
高さを上げる練習だけを繰り返すと、成功させたい気持ちから助走や踏み切りが崩れやすいため、できた動作を保ったまま条件を一つずつ難しくします。
練習回数を増やすことよりも、各試技で直す点を一つに絞り、成功した感覚と失敗した原因を比べることが、限られた授業時間を有効に使うポイントです。
歩いてまたぐ
最初の練習ではバーを跳び越えようとせず、低く設定したゴムバーへ斜めから近づき、振り上げ脚、踏切脚の順番で歩いてまたぐと、左右の役割と身体の向きを安全に覚えられます。
歩く段階でも上体をバーへかぶせたり、腰を深く曲げたりせず、脚の付け根から大きく動かすと、実際に跳んだときも腰の高さを保ちやすくなります。
- 斜め方向から近づく
- バー側の脚を先に上げる
- 上体を急いで倒さない
- 後ろの脚を引き付ける
- 先に越えた足から降りる
左右の脚が順番に通るようになったら、最後の一歩だけ踏切動作を加え、腕を上へ振るタイミングも組み合わせます。
歩いてまたげない高さをジャンプで越えようとすると動作の順番が崩れやすいため、足が触れない低さから始め、先生の指示に従って少しずつ条件を変えます。
短い助走で跳ぶ
一歩助走や三歩助走では、速さに頼らず踏切足で地面を押す感覚を学べるため、長い助走で足が合わない人や、バーの手前で減速する人に向いています。
開始位置、走り始める足、踏切位置を毎回そろえ、成功したときの歩幅とリズムを覚えることで、助走を五歩や七歩へ延ばしたときにも同じ踏み切りを再現しやすくなります。
| 段階 | 主な目的 | 意識する点 |
|---|---|---|
| 一歩助走 | 踏切の確認 | 真上へ伸びる |
| 三歩助走 | リズム作り | 足を合わせない |
| 五歩助走 | 流れの完成 | 徐々に加速する |
| 七歩助走 | 勢いの活用 | 速くしすぎない |
助走を延ばした途端に踏切位置がずれる場合は、さらに走るのではなく一つ前の段階へ戻り、自然な歩幅のまま最後まで進めるかを確かめます。
短助走で高く跳べるようになることは、脚力だけでなく助走の勢いを上方向へ変えられている目安になるため、記録が伸び悩んだときのフォーム確認にも利用できます。
ゴムバーで反復する
硬いバーへ当たる怖さがあると、跳ぶ直前に身体が止まったり脚を小さく動かしたりするため、授業でゴムバーを使用できる場合は、低い高さで思い切って動ける環境を作ることが有効です。
ゴムバーだから安全だと考えて高さを急に上げるのではなく、助走、踏み切り、脚の入れ替え、着地のうち、練習する動作を決めて同じ条件で数回繰り返します。
三回程度続けて同じリズムで越えられたら少し高さを変え、フォームが崩れた場合は元の高さへ戻すと、偶然の成功ではなく安定した動作を積み重ねられます。
ゴムバーで身体や足が触れても、どの部分が当たったかを覚えておき、前脚なら踏切の高さ、後ろ脚なら引き付けのタイミングというように、次の試技で直す課題へつなげます。
うまく跳べない原因を直す方法

バーを越えられない原因は脚が上がらないことだけではなく、助走が速すぎる、踏切位置がずれる、身体が横へ流れる、後ろの脚を引き付ける時期が遅いなど、跳躍前の動きに隠れている場合があります。
失敗した直後にすべての動作を変えると、どの修正が役立ったのか分からなくなるため、バーへ当たった身体の場所や着地位置を手掛かりに原因を一つ選びます。
高さを一時的に下げて正しい動きを作ることは後退ではなく、より高いバーへ挑戦するときに再現できる土台を整える練習です。
助走が速すぎる
助走が速すぎる人は勢いが前方向へ残りやすく、踏切足を置いても身体がそのままバーの奥へ進むため、十分な高さへ到達する前に脚や腰がバーへ近づきます。
また、速さを制御できないと踏切直前で急停止するような一歩が入り、膝が深く曲がって腰が落ちるので、助走の長さを短くし、最後まで余裕を持てる速さへ下げます。
- 最後の歩幅が急に縮む
- 踏切後に前へ流れる
- 着地がマット奥になる
- バー直前で減速する
- 上体が前へ倒れる
これらが当てはまる場合は、全力の速さではなく七割程度の感覚から試し、最後の三歩を同じテンポで進める速さを基準にします。
動きが安定してから少しずつ助走を速くすれば、勢いだけに頼らず、踏切で上方向へ力を変えられる範囲を見つけられます。
バーへ突っ込む
身体がバーへ突っ込む失敗は、踏切位置が近すぎる場合、助走角度が正面に近い場合、踏切と同時に上体を倒している場合に起こりやすく、単純にもっと強く跳んでも改善しないことがあります。
まず着地位置を見て、マットの奥へ大きく進んでいるなら助走速度を抑え、支柱やマットの端へ寄っているなら助走角度と踏切地点を調整します。
| 見られる失敗 | 考えられる原因 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 腰がバーへ当たる | 踏切が近い | 少し手前で踏み切る |
| 上体が先に当たる | 身体を早く倒す | 先に上へ伸びる |
| 奥へ飛びすぎる | 助走が速い | 短助走へ戻す |
| 支柱側へ流れる | 角度が不安定 | 開始位置を固定する |
踏切位置を変えるときは一度に大きく移動せず、靴半足分ほどの小さな幅で試すと、自分に合う距離を見つけやすくなります。
バーを越すことより、踏み切った瞬間に身体が上へ進んだかを先生や友達に見てもらうと、結果だけでは判断しにくい原因を捉えられます。
後ろの足が当たる
先に上げた脚は越えられるのに後ろの脚が当たる場合は、踏切脚を伸ばしたまま引きずっている、振り上げ脚を下ろす時期が遅い、上体が前へ倒れて腰が落ちているといった原因が考えられます。
はさみ動作は両脚を空中で同時に開き続ける動きではなく、先に越えた脚を下ろし、その反動と入れ替わるように後ろの膝を曲げて上げる動きです。
低いゴムバーを使い、振り上げ脚が着地方向へ下がったときに踏切脚の膝がバーより高くなる感覚を練習すると、かかとを引っ掛ける失敗を減らせます。
疲れてくると踏切脚の引き付けが遅くなりやすいため、連続して何度も跳ばず、フォームが崩れたら休憩や低い高さでのまたぎ練習を挟みます。
授業で評価につなげる取り組み方

中学体育では最高記録だけに注目するのではなく、運動の行い方を理解し、自分の課題を見つけ、練習方法を選び、仲間と安全に学習する姿勢も大切です。
学校や先生によって具体的な評価基準は異なりますが、毎回同じ目標を曖昧に繰り返すより、助走、踏み切り、空中動作、着地の中から直す部分を選び、変化を説明できるようにすると学習の過程が伝わります。
運動が得意でない人も、記録だけを比べるのではなく、前回より足合わせが減った、踏切位置が安定した、友達へ具体的な助言ができたという成長を記録しましょう。
課題を一つに絞る
一回の試技で助走、腕振り、踏切、脚の入れ替え、着地をすべて意識すると、考えることが多すぎて身体の動きが固まりやすいため、その時間に直す課題は一つへ絞ります。
課題は高く跳ぶという結果ではなく、五歩のリズムを崩さない、踏切まで上体を起こす、後ろの膝を素早く引くというように、自分や仲間が観察できる動作で表します。
- 助走の歩数をそろえる
- 踏切位置を安定させる
- 腕を上へ振る
- 先に上へ伸びる
- 後ろの膝を引き付ける
- マット中央へ着地する
一つの課題を数回試し、成功した回と失敗した回の違いを比べてから、次の課題へ移ると練習の目的が明確になります。
できなかったことだけでなく、修正によって良くなった動きも言葉にすると、自分に合う方法を次の授業で再現しやすくなります。
仲間の動きを観察する
ペアで観察するときは上手や下手という感想ではなく、事前に見る場所を決め、実際に見えた動きを短く具体的に伝えることが大切です。
跳ぶ人が助走を課題にしているのに、観察する人が空中の脚だけを見ていると役立つ情報を渡せないため、試技前に何を見てほしいかを共有します。
| 観察する局面 | 見るポイント | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 助走 | 歩数とテンポ | 最後まで同じリズム |
| 踏切 | 位置と姿勢 | 少しバーへ近かった |
| 空中動作 | 脚の順番 | 後ろの膝が遅れた |
| 着地 | 入った場所 | マット中央へ着地 |
助言は一度に一つだけ伝え、できていた点も添えると、跳ぶ人が次の試技で何を続け、何を変えるべきか判断しやすくなります。
撮影が認められている場合も、学校のルールや先生の指示を守り、映像を共有する範囲や端末の扱いに注意しながら学習目的だけに利用します。
振り返りを具体化する
授業後の振り返りで頑張った、難しかっただけを書くと、次回に生かせる情報が残らないため、行った練習、変わった動き、次に試す方法を一つの流れで整理します。
例えば、五歩助走では踏切足が合ったが七歩では最後に足合わせが入ったため、次回は開始位置を少し下げて七歩のリズムを試すという形にすると、課題と解決方法が明確です。
記録が伸びなかった日でも、低い高さで後ろの脚が当たらなくなった、着地がマット中央で安定したという技能の変化を残すと、上達の過程を捉えられます。
先生や仲間から受けた助言をそのまま写すのではなく、自分の試技でどのような変化があったかまで書くことで、理解した内容を実際の動きへ結び付けられます。
安全に練習するための注意点

走り高跳びは助走、跳躍、着地を伴うため、フォームの上達より先に、用具の状態、マットの位置、周囲の人、待機場所を確認し、先生の指示に従って練習する必要があります。
はさみ跳びは足から着地しやすい跳び方ですが、踏切位置がずれたり着地場所から外れたりすればけがにつながる可能性があるので、低い高さでも油断はできません。
怖さや痛みがある状態で無理に跳ぶと助走直前の急停止や不自然な着地が起こりやすいため、状況を先生へ伝え、段階を戻すことも安全な学習の一部です。
用具と着地場所を確認する
練習前にはマットが跳躍方向に対して適切な位置へ置かれ、マット同士の大きな隙間やずれがなく、支柱やバーが先生の指示どおりに設置されていることを確認します。
生徒だけで高さや支柱の位置を勝手に変えると、バーが外れにくくなったり着地範囲からずれたりする可能性があるため、用具の調整は授業の決まりに従います。
- マットの隙間を確認する
- 着地面のずれを直す
- 支柱周辺へ物を置かない
- 助走路の障害物を除く
- ぬれた場所を避ける
- 先生の合図を待つ
自分の順番になったら、前の人がマットから完全に離れ、バーを直す人も助走路や着地場所から出たことを見てから走り始めます。
着地が端へ寄った試技では高さを上げず、踏切位置と助走方向を修正して、マット中央へ安全に入れる状態を優先します。
待機場所を守る
走り高跳びでは跳ぶ人がバーだけを見て助走することが多いため、助走路を横切ったりマットの近くへ立ったりすると、衝突や着地時の接触につながります。
待機する人、バーを直す人、記録する人の位置を授業前に決め、役割を交代するときも、跳ぶ人が走り始めていないことを確認してから移動します。
| 場所 | 主な危険 | 安全な行動 |
|---|---|---|
| 助走路 | 走者との衝突 | 横切らない |
| マット周辺 | 着地者との接触 | 十分に離れる |
| 支柱付近 | 用具の転倒 | 触れずに待つ |
| 記録場所 | 周囲への不注意 | 前方も確認する |
友達の試技を見る場合も、助走路へ身を乗り出したり、着地場所へ近づいて声を掛けたりせず、指定された場所から観察します。
複数の練習場所が並んでいるときは、隣の助走路やマットへ入らないように周囲を見て、自分のグループの合図と順番を守ります。
痛みや恐怖を我慢しない
足首、膝、腰などに痛みがあると、踏切を避けるために歩幅や着地姿勢が急に変わることがあるので、我慢して試技を続けず、すぐに先生へ伝えます。
以前の失敗でバーや着地が怖い場合は、低いゴムバーを歩いてまたぐ、一歩助走へ戻る、踏切位置を確認するなど、恐怖の原因を小さく分けて練習します。
周囲が高い記録へ挑戦していても、自分の技能や体調に合わない高さを選ぶ必要はなく、安全に同じ動きを繰り返せる高さでフォームを整えることが優先です。
背面跳びなど別の方法へ勝手に切り替えることも避け、技能、器具、着地環境が整い、先生から段階的な指導を受けられる場合に限って取り組みます。
リズムと踏み切りを整えてはさみ跳びを身に付けよう
中学体育の走り高跳びでは、助走を全力にしたり脚だけを高く上げたりするより、斜め方向から一定のリズムで入り、上体を起こしたまま踏切足で地面を押すことが、はさみ跳びを成功させる土台になります。
空中ではバーに近い振り上げ脚を先に通し、その脚を下ろしながら踏切脚だった後ろの脚を素早く引き付け、振り上げ脚からマットへ安全に着地する順番を覚えましょう。
うまくいかないときは高さを無理に上げず、歩いてまたぐ練習、一歩助走、三歩助走、五歩助走というように段階を戻し、助走、踏み切り、空中動作、着地の中から直す課題を一つだけ選ぶと改善点が見えやすくなります。
開始位置と踏切位置をそろえ、仲間から具体的な助言を受け、試技後に変化を記録すれば、記録の向上だけでなく、自分の動きを観察して練習方法を工夫する力も身に付くので、安全を最優先にしながら再現できるフォームを目指してください。




