小学生の陸上練習メニューを考えるときは、短距離走だけを繰り返すのではなく、走る、跳ぶ、投げるという基本動作をバランスよく組み合わせることが大切です。
小学生は学年や成長の速さによって体格、筋力、集中できる時間、動きの理解度が大きく異なるため、大人向けのトレーニングをそのまま縮小する方法では負担が偏る可能性があります。
記録を伸ばすことだけを目的にせず、鬼ごっこ、リレー、ジャンプ、ボール投げなどの遊びを取り入れれば、楽しみながら陸上競技に必要な姿勢、リズム、反応、バランス、力の伝え方を身につけられます。
ここでは、小学生が取り組みやすい具体的な陸上練習メニューをはじめ、学年に応じた調整方法、短距離や持久走などの目的別メニュー、週間計画、安全管理、子どもの意欲を保つ声かけまで詳しく紹介します。
小学生の陸上練習メニューは走る・跳ぶ・投げるを組み合わせる

小学生の陸上練習では、一つの種目に早くから絞り込むより、さまざまな動きを経験できるメニューを組むことが基本です。
スポーツ庁の小学校体育に関する資料でも、低学年では走・跳の運動遊び、中学年ではかけっこやリレー、小型ハードル、幅跳び、高跳び、投の運動、高学年では陸上運動というように、発達段階に合わせて幅広い動きを学ぶ構成が示されています。
次に紹介する八つのメニューをすべて一度に行う必要はなく、練習時間や人数に合わせて四つから六つを選び、内容を定期的に入れ替えると飽きにくくなります。
鬼ごっこで体を温める
練習の最初には、ゆっくり走るだけのウォーミングアップよりも、鬼ごっこを取り入れると小学生が自然に体を動かし始めやすくなります。
鬼から逃げる動きには、急なスタート、減速、方向転換、周囲の確認が含まれるため、陸上競技だけでなくさまざまなスポーツにつながる基礎的な運動能力を刺激できます。
- 範囲を決めた通常の鬼ごっこ
- 二人一組の手つなぎ鬼
- 指定された色へ逃げる色鬼
- タグやタオルを取るしっぽ鬼
- 片足跳びを混ぜる変則鬼
最初から全力で追いかけると転倒や接触が起こりやすいため、開始直後は広い範囲でゆっくり動き、体が温まってから逃げる範囲を狭くすると安全に運動量を増やせます。
一回を一分から二分程度に区切って鬼を交代させれば、運動が得意な子だけが追い続ける状態を防ぎ、全員に走る機会を作れます。
スキップで走りのリズムを作る
スキップは簡単な遊びに見えますが、片脚で地面を押し、反対側の膝を上げ、腕を振る動作を連続させるため、走るときのリズム作りに適しています。
最初は高さや速さを求めず、背中を伸ばして前を見ること、腕と脚を自然に動かすこと、左右を同じように使うことを意識させます。
通常のスキップに慣れたら、高く跳ぶスキップ、前へ大きく進むスキップ、細かく速く進むスキップを各二十メートル程度行うと、同じ動作の中でも力の出し方を変える経験ができます。
膝を高く上げることばかり強調すると上半身が後ろへ反りやすいため、足を上げる指示よりも、頭を高い位置に保つことや地面を軽く押すことを伝えると姿勢が整いやすくなります。
ミニハードルで動きを整える
低いミニハードルやマーカーを等間隔に並べる練習は、足の運びを視覚的に理解しやすく、リズムよく走る感覚を身につけるのに役立ちます。
最初は五個から八個程度を広めに置き、またぐ、両足で跳ぶ、片足ずつ進む、走り抜けるという順番で難易度を上げると、初めて取り組む子も不安を感じにくくなります。
間隔が子どもの歩幅に合っていないと、ハードルへ足を合わせるために不自然な走り方になるので、同じ学年でも体格に応じて複数のコースを用意すると効果的です。
速さを競わせる前に、ハードルを倒さず最後まで同じリズムで進めたかを評価すれば、動作が雑になるのを防ぎながら成功体験を増やせます。
短いダッシュで加速を覚える
小学生の短距離練習では、長い距離を何本も全力で走るより、十メートルから三十メートルほどの短いダッシュを十分な休憩を挟んで行う方法が取り入れやすいです。
スタート姿勢は本格的なクラウチングスタートに限定せず、立った状態、座った状態、うつ伏せ、後ろ向きなどを使い分けると、合図へ反応して素早く動き出す力を遊びながら養えます。
一本ごとに全力を求めるのではなく、最初の十メートルだけ速く進む、前を見て最後まで走り抜く、腕を後ろへ引くなど、その日の課題を一つに絞ると子どもが理解しやすくなります。
走った直後に息が整わないまま次の一本を始めると姿勢や動きが崩れるため、歩いて戻る時間に加えて必要な休憩を取り、速さよりも質を優先します。
リレーで全力疾走を楽しむ
リレーは、単純なダッシュよりも仲間と協力する目的が生まれるため、走ることが苦手な小学生も参加しやすい練習です。
人数を均等に分けるだけでは走力差が大きくなる場合があるので、指導者がチームを調整したり、走る距離を子どもごとに変えたりすると接戦になりやすくなります。
直線リレー、折り返しリレー、マーカーを回るリレー、ボールを運ぶリレー、途中でジャンプを入れるリレーなどへ変化させれば、加速だけでなく減速や方向転換も経験できます。
勝敗だけを強調すると失敗した子を責める雰囲気が生まれやすいため、バトンを落とさなかったこと、応援できたこと、前回より滑らかにつなげたことも評価の対象にします。
連続ジャンプで地面を押す
走幅跳や走高跳の技術を細かく教える前に、両足ジャンプ、片足ジャンプ、前後左右へのジャンプを経験させると、跳ぶ動作の土台を作れます。
縄やラインを使って小さな幅を連続で越える練習では、着地のたびに深くしゃがまず、軽い音で素早く次の動作へ移ることを目標にします。
遠くへ跳ぶ練習では、助走を長くするよりも、立ち幅跳びや三歩程度の短い助走から始め、腕を前へ振ることと両足で安全に着地することを覚えさせます。
硬い路面で回数を増やすと足首や膝への負担が大きくなりやすいため、芝生、土、砂場、体育館の床など状態のよい場所を選び、疲れて着地が乱れたら終了します。
ボール投げで全身を使う
投げる練習では、腕だけを強く振らせるのではなく、足を踏み出し、腰や胸を動かし、その力を腕へ伝える感覚を身につけることが重要です。
柔らかいボール、新聞紙を丸めたボール、タオルなどを使えば、投てき用具がない場所でも安全に練習しやすくなります。
上方向へ高く投げる、壁の的を狙う、地面へ強くたたきつける、助走をつけて前へ投げるなど課題を変えると、方向や力加減を調整する能力も育てられます。
投げる方向に人が入ると重大な事故につながるため、全員が同じ向きで投げ、合図があるまで拾いに行かず、投げ終わってから一斉に回収するルールを徹底します。
整理運動で体調を確認する
練習の最後は急に活動を終えるのではなく、ゆっくり歩く時間と軽いストレッチを設け、呼吸や体調を落ち着かせます。
小学生は疲労や痛みをうまく言葉にできないことがあるため、指導者や保護者が表情、歩き方、返事の様子を見ながら、いつもと違う部分がないか確認することが大切です。
| 確認する項目 | 子どもへの質問例 |
|---|---|
| 呼吸 | 苦しさは残っていないか |
| 脚の状態 | 膝や足首に痛みはないか |
| 暑さ | 頭痛や気分の悪さはないか |
| 疲労 | 強いだるさはないか |
| 気持ち | 楽しかった練習は何か |
ストレッチは痛みを我慢して強く伸ばすものではなく、反動をつけず、呼吸を続けられる範囲で行います。
最後に楽しかったメニューや次に挑戦したいことを聞くと、体調確認と振り返りを同時に行え、次回の練習内容を決める材料にもなります。
学年に合わせて運動量を調整する

小学生という区分の中でも、一年生と六年生では体格、理解力、集中力、競技経験に大きな違いがあります。
同じ練習場所で複数学年が活動するときは、全員へ同じ距離や回数を課すのではなく、ルール、用具、コース、休憩時間を調整する必要があります。
学年はあくまで目安とし、運動経験やその日の体調も見ながら、簡単な課題から少しずつ難易度を上げることが大切です。
低学年は遊びを中心にする
小学一年生と二年生では、正しいフォームを繰り返し練習するより、さまざまな遊びの中で走る、止まる、跳ぶ、投げる、よける、回るといった動きを経験することを優先します。
説明が長くなると体が冷え、集中も切れやすいため、見本を短く見せてすぐに動き始め、途中で一つずつルールを加える進め方が適しています。
- 一種目を五分から十分で交代する
- 待ち時間の少ないコースを作る
- 小さな成功をすぐに褒める
- 順位以外の目標を用意する
- 柔らかく扱いやすい用具を使う
低学年では記録を細かく比較するより、最後まで走れた、両足で着地できた、狙った方向へ投げられたという達成を認めるほうが、次も運動したいという気持ちにつながります。
疲れている子へ無理に参加を促すのではなく、回数を減らす、審判役を任せる、歩いて行うなど別の参加方法を用意することも必要です。
中学年は基本動作を整える
小学三年生と四年生では、遊びの要素を残しながら、姿勢、腕振り、踏み切り、着地、投げる方向などの基本動作へ少しずつ意識を向けられます。
ただし一度に多くの注意を伝えると動きが硬くなるため、一つのメニューにつき課題を一つか二つに絞り、できた部分を伝えてから改善点を示します。
| 運動 | 主な課題 | 練習例 |
|---|---|---|
| 走る | 姿勢とリズム | スキップからダッシュ |
| 跳ぶ | 踏み切りと着地 | 短い助走の幅跳び |
| 投げる | 足から腕への連動 | 一歩踏み出すボール投げ |
| 反応する | 合図への素早い動き | 変則姿勢からのスタート |
練習の一部で距離や回数を記録すると成長が見えやすくなりますが、毎回測定すると数字への不安が強くなる子もいるため、通常練習と測定日を分ける方法が適しています。
同じ動作を連続して反復する時間を短くし、リレーやゲームへつなげれば、学んだ動きを実際の運動の中で使う経験を増やせます。
高学年は目的を理解させる
小学五年生と六年生では、練習の目的を簡単な言葉で説明し、自分の動きを振り返る時間を設けると、指示された内容をこなすだけではない主体的な取り組みにつながります。
短距離では加速、中盤の走り、ゴールまでの維持を分け、跳躍では助走、踏み切り、空中動作、着地を分けるなど、競技動作をいくつかの場面に整理すると理解しやすくなります。
高学年でも成長の途中であることに変わりはないため、重い器具を使った筋力トレーニングや、疲労で動けなくなるまで走る練習を中心にする必要はありません。
自分の得意な種目を伸ばす時間と、苦手な動きを遊びながら経験する時間を両方設けると、競技への自信と幅広い運動能力を育てやすくなります。
目的別に練習内容を組み替える

陸上競技には短距離走、持久走、リレー、ハードル、跳躍、投てきなどがあり、目標によって中心となる練習は変わります。
一方で、小学生の段階から一つの種目だけを毎回練習すると、使う動きが偏ったり、楽しさを感じにくくなったりする可能性があります。
全体の半分程度を共通の基礎運動にし、残りを本人が伸ばしたい種目へ使うと、総合的な動きと目的に合った技術を両立しやすくなります。
速く走る力を伸ばす
短距離走を速くしたい場合は、長い距離を疲れるまで走るより、姿勢、反応、加速、足の切り替えを意識できる短時間のメニューを組み合わせます。
一回の練習ではすべてを直そうとせず、スタートで素早く動く日、リズムよく走る日、最後まで姿勢を保つ日というようにテーマを分けると理解が深まります。
- 合図に反応する十メートル走
- 坂が緩い場所での短い上り走
- マーカーを使ったリズム走
- 助走をつけた二十メートル走
- 休憩を挟む三十メートル走
- 走力を調整したチームリレー
本数は年齢や経験によって調整し、走る速さが大きく落ちたときや、上半身が左右へ揺れ始めたときは、予定した本数が残っていても終了します。
タイムは成長を確認する一つの材料ですが、風向き、路面、靴、体調によって変わるため、一回の記録だけで上達や能力を判断しないことが重要です。
持久力を無理なく育てる
持久走の練習では、最初から長距離を走らせるのではなく、会話ができる程度の速さで動き続ける時間を少しずつ増やします。
一定のペースで走ることが難しい小学生には、走る時間と歩く時間を交互に入れる方法や、チームで課題を巡るサーキット形式が取り組みやすいです。
| 方法 | 進め方の例 | 主な狙い |
|---|---|---|
| ランと歩行 | 二分走って一分歩く | 無理なく継続する |
| 時間走 | 楽な速さで六分動く | ペース感覚を育てる |
| 周回リレー | 短い周回を交代する | 仲間と楽しむ |
| サーキット | 走る動作と遊びを交互に行う | 飽きを防ぐ |
周囲についていくために最初から速く走ると後半に苦しくなりやすいため、前半を抑えて最後まで同じ動きを続けることを成功の基準にします。
胸の痛み、めまい、吐き気、強い息苦しさなどがある場合は直ちに運動を中止し、症状が続くときは保護者や医療機関へ相談する必要があります。
跳躍や投てきの基礎を作る
跳躍や投てきでは、専門的なフォームを急いで身につけるより、助走のリズム、片脚での踏み切り、安全な着地、全身を使った投げ方を段階的に学びます。
跳ぶ練習では、両足ジャンプ、片足跳び、数歩の助走からのジャンプ、目印を越えるジャンプという順番にすると、踏み切りへの恐怖を減らせます。
投げる練習では、正面を向いたまま腕だけで投げる段階から、足を踏み出す動作、体を横へ向ける動作、短い助走を加える動作へ進めます。
距離だけを競うと動作が乱れやすいため、狙った範囲へ着地できたか、踏み切り位置を合わせられたか、投げる方向を守れたかという技術面の目標も設定します。
一週間の計画に休養を組み込む

効果的な陸上練習メニューを作るには、一回の内容だけでなく、学校生活、体育、ほかの習い事、睡眠、休日を含めて一週間の負担を考える必要があります。
小学生は成長の個人差が大きく、同じ練習を行っても疲労の現れ方が異なるため、決めた予定を必ず消化する考え方は適していません。
元気に動ける日には質の高い練習を行い、疲れている日には軽い遊びや休養へ切り替えられる余裕を残しておきます。
六十分の基本プランを使う
クラブや親子練習で一時間を確保できる場合は、体を温める時間、動きを学ぶ時間、全力に近い運動をする時間、遊びながら試す時間、体調を整える時間に分けると進行しやすくなります。
説明と待ち時間が増えると実際に体を動かす時間が減るため、用具を事前に並べ、複数のコースを用意し、少人数のグループで回る工夫が必要です。
| 時間 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 開始から十分 | ウォーミングアップ | 鬼ごっこと軽い体操 |
| 次の十五分 | 動きづくり | スキップとミニハードル |
| 次の十五分 | 中心練習 | 短いダッシュや跳躍 |
| 次の十分 | ゲーム | リレーや的当て |
| 最後の十分 | 整理運動 | 歩行と振り返り |
気温が高い日、初めて参加する子が多い日、前日に運動会や試合があった日は、中心練習を短くして休憩を増やします。
終了時刻を延ばしてまで予定したメニューを消化せず、子どもがもう少しやりたいと感じる程度で終えることが継続につながります。
家庭では短時間で続ける
家庭で行う陸上練習は、毎日長時間取り組む必要はなく、十分から二十分程度で終わる内容を週に数回行うだけでも運動へ親しむ機会を増やせます。
家の周囲や公園で練習するときは、車、自転車、歩行者、路面の凹凸、ボールを投げる方向を確認し、安全を確保できない場所では実施しません。
- 縄跳びを一分ずつ行う
- ラインを前後左右に跳ぶ
- 親子で短い距離を競走する
- タオルを使って投げる動作を行う
- 片脚立ちでバランスを取る
- 散歩の途中に短い坂を歩く
家庭練習を宿題のように義務化すると運動を嫌いになることがあるため、本人が選べるメニューを二つか三つ示し、できなかった日があっても責めないことが大切です。
回数を増やすよりも、前回より滑らかにできた、左右の違いに気づいた、家族と楽しく動けたという変化を言葉にして認めます。
痛みと暑さを見逃さない
練習前には睡眠、食欲、発熱、頭痛、脚の痛みなどを確認し、普段と違う様子がある場合は運動量を減らすか休ませます。
練習中に痛みが出たときは、我慢できるかどうかで続行を判断せず、いったん活動を中止して痛む場所、発生した動作、腫れや歩き方の変化を確認します。
暑い時期は気温だけでなく湿度や日差しを含む暑さ指数を確認し、環境省の熱中症予防情報サイトや活動場所の測定値を参考にして、休憩、水分補給、内容変更、中止を判断します。
暑さ指数が高い環境では短時間の運動でも体調を崩す可能性があり、特に子どもは自分から不調を申し出られないことがあるため、顔色、発汗、返事、動きの変化を大人が継続して観察します。
痛みや体調不良が繰り返される場合、数日休んでも改善しない場合、日常生活にも影響している場合は、自己判断で練習を再開せず医療機関などへ相談します。
楽しさを保つ指導で継続につなげる

小学生の陸上練習では、メニューの内容と同じくらい、指導者や保護者の声かけ、グループの雰囲気、目標の決め方が重要です。
速い子だけが褒められる環境では、記録が伸びにくい子や運動経験の少ない子が、自分には向いていないと感じる可能性があります。
結果だけでなく工夫、挑戦、継続、仲間への関わりを認めれば、能力差がある集団でも一人ひとりが参加する意味を見つけやすくなります。
できた行動を具体的に伝える
子どもを褒めるときは、単に上手や速いと言うだけでなく、どの行動がよかったのかを具体的に伝えると、本人が成功の理由を理解できます。
改善点を伝える場合も、できていない部分を並べるのではなく、最初にできたことを示し、次の一本で試す課題を一つだけ提案します。
- 最後まで前を見て走れた
- 着地で姿勢を保てた
- 腕を後ろまで動かせた
- 仲間へ声をかけられた
- 安全の合図を守れた
- 前回より一定のリズムで動けた
失敗直後に長い説明をすると気持ちを切り替えにくいため、短い言葉で次の目標を伝え、再び挑戦できる機会を早めに作ります。
ほかの子との比較ではなく、本人の前回の動きや取り組み方と比べることで、小さな成長を実感しやすくなります。
記録を成長の材料にする
タイムや距離を測ることは、目標を持つきっかけになりますが、順位を決めるためだけに使うと緊張や失敗への恐れが強くなることがあります。
測定日は毎回設けず、一定期間練習した後に同じ条件で記録を取り、練習内容や本人の感想と一緒に残すと変化を振り返りやすくなります。
| 残す内容 | 記入例 |
|---|---|
| 日付 | 練習や測定を行った日 |
| 種目 | 三十メートル走 |
| 結果 | タイムや成功回数 |
| できたこと | 最後まで姿勢を保てた |
| 次の目標 | 合図から早く動き出す |
| 体調 | 元気や疲れなどの感覚 |
身長の伸びや体調によって一時的に動きにくくなる時期もあるため、記録が下がったことを努力不足と決めつけず、本人の感覚や生活状況も確認します。
日本スポーツ協会の運動適性テストⅡのように、結果だけでなく動きの質や身体の状態を見る考え方も参考になります。
本人が選べる場面を作る
指導者がすべての内容を決めるのではなく、最後のゲームを二つから選ぶ、跳ぶコースの難易度を選ぶ、次回挑戦する種目を考えるなど、本人が選択できる場面を作ります。
自分で選んだ課題には取り組む理由が生まれやすく、うまくいかなかった場合も方法を変えて再挑戦する姿勢につながります。
日本スポーツ協会のアクティブ・チャイルド・プログラムでは、子どもが楽しみながら積極的に体を動かし、多様な運動遊びを経験することの大切さが示されています。
全員へ同じ選択を求めるのではなく、競走が好きな子にはリレー、慎重に取り組みたい子には的当てやリズム運動を用意すると、それぞれの興味から活動へ入りやすくなります。
子どもの希望をすべて採用できない場合も、危険だから行わない、場所が狭いので内容を変えるなど理由を説明し、代わりの方法を一緒に考えます。
安全に楽しめる練習が小学生の成長を支える
小学生の陸上練習メニューは、短いダッシュだけに偏らせず、鬼ごっこ、スキップ、ミニハードル、リレー、ジャンプ、ボール投げを組み合わせると、走る、跳ぶ、投げるための基礎を幅広く育てられます。
低学年は遊びと成功体験を中心にし、中学年は基本動作を一つずつ整え、高学年は練習の目的や自分の動きを理解する時間を増やすなど、学年と個人差に合わせて内容を調整することが重要です。
短距離、持久走、跳躍、投てきのどれを伸ばす場合も、疲労で動きが崩れるまで続けるのではなく、十分な休憩を取りながら質の高い動きを繰り返し、週間計画には休養を組み込みます。
記録や順位だけで評価せず、前回より滑らかに動けたこと、安全のルールを守れたこと、仲間と協力できたことを認めれば、運動が得意な子にも苦手な子にも継続する理由が生まれます。
痛み、強い疲れ、体調不良、暑さへの不安がある日は予定を変更し、子どもが安心して楽しく挑戦できる環境を整えることが、将来にわたって陸上やスポーツへ親しむための土台になります。




